こんにちは!
本日の座間地方は朝のうちは青空がありましたが、霞んできてしまいました。
でも、ほどほどに過ごしやすい日になっています。
昨日と一作日はオペラ研修所の前期アリア試験でした。
昨日は 7時間あまりスタジオに籠もって研修生の歌を聴いていたので、さすがに疲れました。本科生なので与えられた演奏時間は4分半。今回からは時間がきたらカットし時間超過でも減点なしとなったので、ほとんどの研修生が持ち時間をめいっぱい使うため、聞く方は少し大変になりました。
でもね、一人一人にとっては大切な4分半ですから、ちゃんと聞きましたよ!!
芸大時代からの恩師長野羊奈子先生は「皆んな一生懸命歌っているのだから、試験でもコンクールでも、審査側はしっかり姿勢を正して聞いてあげないといけません。」とおっしゃっていましたっけ。
羊奈子先生は何事にも真摯な姿勢で臨む方でした。
私はちゃんとやっているだろうか・・師匠の姿勢を思い出し、時々は自分をチェックしなければいけませんね。
話しは変わりますが、偉大な声楽家の一人でいらっしゃった平野忠彦先生が急逝されました。声楽家・東京芸大名誉教授・俳優・・と肩書きも素晴らしいですが、それ以上に大きい器の人格者でした。
私は体格を含めて(?)平野先生以上の大きな器の方にお目にかかったことがありません。器が大きいのに繊細な優しさも持ち合わせた方で、関わった人のほとんどが平野先生のことが大好きだったと思います。
厳しいことをおっしゃったとしても、必ず人を救ってくような真の優しさを発揮されていました。真の教育者でした。
二期会の研修所を出てから20年も藤原歌劇団で歌ってきた私を、二期会に戻った時にオペラ研修所の講師に呼んでくださいました。平野先生が引っ張ってくれなかったら今の私はなかったと思います。
先生と研修所でご一緒したのは二年半でしたが、楽しくためになるお話を沢山聞かせていただきました。研修生との打ち上げにはかかさず出席され、必ず最後まで残って楽しそうに過ごされていたのを昨日の事のように思い出します。
平野先生は豊かで大きく、まさに天衣無縫という言葉がぴったりの人生を全うされ、サラリとこの世を去っていってしまいました。
私を藤原歌劇団に引っ張って下さった五十嵐喜芳先生と同じような去り方です。
ここ数年の間に恩人が次々に他界しています。自分もそれなりの年齢になったということですが、「これからは自分に依って立つんですよ!」ということですね。
平野先生の業績については書かれる方がいらっしゃると思いますので、私は私の知っている側面を少しだけ書かせていただきました。
先生!ありがとうございました。しばらくは天のベットでゆっくりお休みくださいね。ご冥福をお祈りいたします。
それでは皆さん、ごきげんよう!!